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居間もトイレも同価値だ

2011.10.14

性急な考え方に関しては、当時でも、疑問を寄せる人もいた。たとえば、あめりか屋技師長の山本拙郎は、「住宅の主要室と付属室」と題する批判の記事を寄せた。すなわち、まず、住まいの各部屋を主要室と付属室に分類することに対し、居間も食堂も浴室もトイレもすべて生活の場として同価値であり、そうした区別そのものに問題があると主張した。加えて、居間や寝室といった部屋の中に浴室などの無駄な広さとは比べ物にならないほどの無駄がある場合もあるし、そもそも、部屋の位置の問題や入り口の位置の問題、通路となるべき部分が部屋に含まれていることの問題など、間取りの問題は、そうした使いやすさをもとに再考されるべきである。しかし、戦前そして終戦直後は、まさしく生活を切り詰めることが強いられた時代であった。こうした時代背景の中で、白鳥に代表される主張はいやがうえにも支持されざるを得なかったのである。一九一〇年代の三角錫子の提唱した「動作経済論」をベースに、間取りを科学的に論じる姿勢が生まれ、住宅のあるべき姿が様々な観点から議論さればしめた。そうした個々の観点による住まい論の中で、確実に科学的に当時の住まいを捉える方法も模索されはじめた。それは、一方で、間取りの近代化として経なければならない通過儀礼のようなものであったように思う。それが、結果的には、わが国では伝統性を切り捨てる力になり、間取りを単純なものに変える大きな力となったのである。

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