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アルカリが鉄筋を守る

2011.10.14

セメントは、小麦粉のようにサラサラとしており、水酸化イオン濃度を判断するpH値(水素イオン指数)が十二から十三の強アルカリ性である。鉄筋コンクリート造の場合、アルカリ性であることが鉄筋の酸化、つまり錆びを抑制する効果を発揮する。しかし、年月の経過により、セメントは空気中の炭酸ガスと少しずつ反応し、アルカリは中性化を開始し始め、約七十二年でほぼ完全に中性化してしまう。セメントのアルカリ成分を抜けにくくして、中性化を遅らせるにはどうすればよいかを考えることが必要だ。アルカリは、空気中の炭酸ガスと反応して中性化するから、空気に触れにくいようにするのが効果的である。コンクリートの表面に石材やタイルを貼ったり、塗料を塗るだけでも中性化は遅くすることができる。千年もつコンクリートをつくるには、良いセメントを選ぶ必要もある。セメントは、複雑な硬化機能をもっている。硬化する化学成分系は、主にアリット、セリット、ペリットという三つで構成されている。この三つの成分は強度も反応も違うので、調合や種類によってセメントが固まるメカニズムも異なってくる。アルミナセメント(硬化速度の速い高強度な特殊セメント)は、高強度で硬化速度も速いが、数十年たつと、急激に強度が低下する危険性がある。従って、大きな構造体には使いにくい。さらに、長期のことを考えると、コンクリート用の添加剤を入れすぎない方がいい。数百年後に悪影響を起こさないという保証がないからだ。できるだけ緻密なコンクリートをつくるためには、収縮低減剤以外にはたよらないことを基本としたい。

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