ほとんど建物がなく、一面が焼け野原の写真を見たことがある。空襲ですべてを失った都市の光景である。私のように六〇年代以降に育った者には想像しにくいが、敗戦時の光景はすさまじいものだったようだ。あれから半世紀以上が経ち、世紀は新しくなったが、体験者たちにとって、それは忘れ難い記憶としていまも残り続けている。二〇〇一年の春、東京・乃木坂にあるギャラリー・間で「アンビルトの反建築史」という磯崎新の建築展を見た。
野々市の賃貸・部屋探し情報一覧
> 公式サイト
西武池袋線(飯能)の中古一戸建て一覧
> 公式サイト
茶山の賃貸・部屋探し情報一覧
> 公式サイト
興戸の賃貸・部屋探し情報一覧
> 公式サイト
小金井市の中古一戸建て一覧
> 公式サイト
アンビルトは「建たない」という意味である。そこには計画したのだが、ついに建たなかった作品や、あるいは最初からとうてい建てることなどできない建築などが、図面やパネル写真などで展示されていた。中でも注意を引いたのは、原爆投下直後の広島に、巨大工場を合成した横長の大きなシルクスクリーンである。しかもその工場も、すでに壊れてボロボロの骨組みだけの廃墟である。現実の広島にはこのような建物は見当からないから、これは廃墟の上に、さらにフィクションの廃墟を意図的に重ねたものであろう。これでもかというくらいに、ここでは繰り返し、廃墟が建築的主題になって現われる。作者の磯崎新は、実際の建物をつくる建築家である。批評家でも、画家でもない。なのに、つくることだけでなく、なぜかこうした壊れたものに彼はこだわり続ける。その原点は、どうやら彼自身が体験した、敗戦の焼け野原にあるようだ。